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岐阜県のギフチョウ Ludorfia japonica in Gifu Pref.

(2016/03/13更新)

 岐阜県は、ギフチョウ発見の地である。そのためその名が冠せられたわけだが、名和昆虫翁の名は、ギフチョウ発見の歴史とともに語り継がれよう。
 そうした経緯からは、ここは巡礼のギフチョウと言えようか・・

 県内の分布を見ると、北部の高所積雪地帯に生息するいわゆる「山ギフ」と、南部の低山地に生息するものとに大きく分かれる。岐阜県も中央部を大分水嶺が横切る。つまり、太平洋側と日本海側のギフチョウが両方存在するのだ。
 さらにエリアによって、その生活環境、食草、発生時期など大きく異なる様子を示す。生活史や生態のバラエティ豊かなギフチョウが混在していることは、さすがギフチョウ発祥の地にふさわしい。
 やはり、生息数は減っていると聞く。関東からのアクセスが遠い上に会える確立が低いとなると、生態写真の対象としては難関の存在となってしまったかもしれない。

■法令等による保護

 

■美濃のギフチョウ

 美濃地区と一口に言っても高低差も異なれば、ひるがの高原を大分水嶺が横切り、日本海側と太平洋側の両方を併せ持つなど、多様な地域である。
 中でもひるがの高原の周辺の本種は、発生時期が遅いことで、独特の生活環を持っているという。

 それを確かめに、5月下旬に訪問した。確かにそうで、森はすでに緑が濃くなっている状況の中だった。
 また、その時期は食草のヒメカンアオイの芽吹きのタイミングと一致していることを確認した。

 

 ○食草:ヒメカンアオイ

 

  

  

■東濃のギフチョウ

 低山地帯のギフは、広く薄く、でもまだそれなりの生息数が確保されているという印象を受けた。適度に手が入れられた里山がまだ残されているためであろう。
 有名な産地である谷汲村は、富士川流域と並び、発生の最も早いといわれる。そこでも天然記念物指定され採集等は禁止されている。場所によっては個体数が多いところもあるのだろうが。
 日本一黒いギフチョウといわれる長野県の飯田エリアの山向かいになり、個体によっては、飯田エリアと同様のかなり黒い個体と感じた。

 時間帯によって、日光浴、吸蜜、探勝飛翔、とはっきり行動が変わる様子を観察できた。また、様々な花に訪花する様子も観察できた。

 

 ○食草:ヒメカンアオイ

 Photo & Essays

 

  

  

■飛騨のギフチョウ

 飛騨地区のギフチョウは、いわゆる「山ギフ」と呼ばれる。飛騨地方は、日本海側のギフチョウになるが、このエリアの中でもウスバサイシンを食するギフとヒメカンアオイを食するギフが混在するという。ここのヒメカンアオイの方はまだ会えていない。

 食草の芽吹きの違いからか、発生時期にも幅があるようで、サイシンを食草とする場所では、かなり早い。また、黄色の部分が広く明るい印象、後翅の赤紋が発達したものが多い、などが特徴といわれる。

 古くから記録される有名産地だろうという周辺を、尾根伝いにかなり探すが、分布数はかなり薄い印象を受けた。翌日、発生地とおぼしき、ウスバサイシンも多くみられるところで、ようやく撮影らしい撮影ができた。

 

 ○食草:エリアにより、ウスバサイシン、ヒメカンアオイ

 

   

   

 


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