TOP初夏のチョウシジミチョウ科ミドリシジミ


ミドリシジミ Neozephyrus japonicus

 本種は、「埼玉県の蝶」に選定されている。北へりを利根川流域に、中央部を荒川流域に占められる埼玉県では、かつては、各地に見られた本県を代表するチョウであったろう。
 というのも、分布には、食樹となるハンノキ林の存在が不可欠だが、ハンノキは、湖沼べりの湿地に生える樹木であるから。しかし、こうした環境は残念なことにどんどん消えていく一方で、このチョウの運命もともにしている。

 山地でも、ミヤマハンノキなどを食樹に分布しているそうだが、埼玉県内では、ここという生息地を見つけたことがない。だから、私にとってこのチョウは湿地(川べり)のチョウである。

 熊谷の荒川で記録があるが、深谷市内では、生息を確認できていない。
 利根川の河川敷では、耕地整理と、河川の管理上の理由からかきれいに樹木が払われてしまっているので、現在のところ見られる可能性はまずない。
 一方、荒川流域では雑木の区域も残され、ハンノキも点在しているのは見つけているが、まだ周辺の状況など総合的に十分そうな環境は見つけられない。
 かつて初夏の夕暮れの空には、たくさん舞っていたに違いない。

 市の北部に、現在整備を進めている「青淵公園」という公園整備の計画があることがわかり、その計画の図を見た。
 この公園には池をつくり、ビオトープ的に生き物の森」も復元するようなことが。
 池に沿った一角に書かれた名前はなんと「ハンノキ」。もしかすると復活するかもしれないことを期待している。

 

(2007.06.08最終更新)

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