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コツバメ Callophrys ferrea

(2008.03.14最終更新)

 

 その名前のツバメは、飛び回る素速さからつけられたに違いない。
シジミチョウの中でも小粒な体。しかも、地味な茶色の装いのくせに、飛び切り速く飛びまわるから、チョウがいると気づく人も少ないかもしれない。

 やはり早春のチョウ。埼玉県内でもかつてはよく見られただろうが、丘陵地ではほとんどみられなくなってしまったようだ。県内の山地で、見かけることがあればなかなか幸運。といっても、周辺の県では(群馬県、新潟県など)、まだまだよく見られる存在。ちょうどギフチョウと季節も一緒で、季節感を感じさせてくれるうれしい存在。

 オスはなわばりを持って、強い占有行動を示す。枝先から飛び出し、追い回すのが素早い飛翔のそれだ。
 止まるときには、体を少し倒して止まることが多い。より太陽の光を受けることと、風から体温が奪われるのを防ぐためだろうか。

 色合いは、シックな深い茶色。翅表には薄い青色の鱗粉が広がっているけれど、まず止まっているときには開いて見せてくれない。その青色もひかえめなものだ。縁毛は、白と黒の毛がダンダラに並んでいるが、不思議なことに強い逆光のときには、翅の縁毛が青く輝く。

 幼虫は、ツツジなどの花や蕾を食べて育つ。春の短い花の期間に幼虫期を完了して、次の春まで蛹で待っているのだ。いじらしいではないか。シジミチョウ科のチョウは似たようなものが多いけれども。

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