TOP高原のチョウシジミチョウ科トラフシジミ


トラフシジミ  Rapala arata

 名前のトラフは漢字で書けば「虎斑」で、トラ模様のチョウという意味。
 それでいけば、「ダンラダチョウ」と呼ばれたギフチョウのほうが、よほどトラ模様のイメージであるけれど。ともかくそういうわけで、このチョウは、阪神タイガースのマスコットバタフライになっている…わけはないか。
 柄のパターンだけとれば、ギフチョウに似ている。あまりにシロート的な視点のためか、そのことにふれた記述は、知る限りないのだが。どうなんだろう。
 さて、このトラ模様は、春型において地色が白くくっきりとしてコントラストが美しい。
 夏型では地色が薄茶色、帯も色がうすくなって、あせたように見えてしまう。
 写真は夏型。申し分なく新しい個体なのだが、お気の毒に何か古ぼけたように見えるだろう。残念ながら春型の撮影は、まだできずにいる。

 夏型は、ミズナラなどの樹上で占有行動などをしていることを見る。さてはゼフィルスがなわばりをはっているかと、苦労して網に入れたら、このチョウのボロだったことがあった。実にまぎらわしい。
 なかなか素早くて、撮影も難しい。

トラフシジミ

夏型。ハルジョンに吸蜜
(2003.7.25 山梨県上九一色村)

トラフシジミ夏型

 このチョウは、埼玉県の奥武蔵の身近な山々にも分布している。数はそう多くない感じであるけれども。
 シジミチョウっぽいのは、生活史であろう。幼虫は、ウツギやフジの花やつぼみを食べるという偏食ぶりに、らしさを感じる。
 花の期間しか餌にありつけないわけだから、したがって、幼虫でいられる期間は限られて、成長の過程は、とてもあわただしいとも聞く。
 そうした理由からも、なかなか会えないのだろうが、その存在は、非常に季節感があるといえるだろう。


TOP高原のチョウシジミチョウ科トラフシジミ

 

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