TOP高原のチョウタテハチョウ科(3)>ウラジャノメ


ウラジャノメ  Lopinga achine

 ジャノメチョウの仲間は、みんな渋い色合いであるが、あるとき妙にその美しさを感じる瞬間があるものだ。
 その中でも、私にとって特に上品な美しさを感じる種のひとつである。
 それは、表面には整って並んでいる眼状紋、そして裏面はそれにより沿うはっきりした白いラインというデザイン。そして、しっとりとした翅の質感によるものと思う。
 また、高原の中でも、沢筋に近い場所や、美しい花畑など、瑞々しいステージでよく会えることも、その理由になるのではないだろうか。

 

沢沿いの草つきにて
(2001.6.21 群馬県吾妻町)

ウラジャノメ

ウラジャノメ

 あくまで私の印象だが、普通にはなかなかまとまって見られないチョウだ。
 しかし、あるとき北関東で、ある山の中腹の沢沿い(標高600mほど)にかなりの数がまとまっているのに出会ったことがあり、意外な感じを受けた。

 日本全体での分布を調べてみると、本州中部と北海道が中心の産地。それに中国山地、東北、利尻島に飛び離れた小さな分布域がある。飛び離れた小さな分布の理由はなんだろうか、興味がある。くせのあるチョウにちがいない。

 埼玉県内も分布域ではあるのだが、状況は寒い限りで、山地でも場所が限定され、数も少ないという話を聞く。
 美しさとあいまって、これを目的にあちこちの高原を周っている採集家もけっこういるようだ。

 ジャノメチョウの仲間でも日差しのチョウ。初夏の日差しの下、高原の花々を飛びまわる。活発で、飛ぶとかなりのスピードだ。  

ウラジャノメ


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