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埼玉県深谷市のチョウの記録文献

 埼玉県深谷市に生息していたチョウについての記録文献はあまり多くない。

■「深谷町誌」(山口平八編集、深谷商工会発行、昭和12年)

 深谷地区(平成の合併前の旧深谷市)のチョウに関しては、昭和12年に「深谷町誌」(山口平八編集、深谷商工会発行)において、28種(類?)があげられているのが、知る限り最も古い文献である。
 この記録は、「当町及び 当町地方に分布する生物」の「通俗的のもの」というとおり、この町だけに限定していないものであることは注意を要する。キベリタテハがいたり、シジミチョウ科では「シジミチョウ」とのみ、セセリチョウ科では「セセリチョウ」とのみの、大雑把な記録。だが、オオムラサキ、スミナガシといった、間違いはしないだろう種の記録があるのは貴重

      A 鱗翅類 (*原文はひらがな。例:「あげはてふ」「をながあげは」。疑問種は、赤字下線

      アゲハチョウ キアゲハ クロアゲハ カラスアゲハ アオスジアゲハ オナガアゲハ ジャコウアゲハ
      モンシロチョウ モンキチョウ キチョウ スジグロチョウ
      オオムラサキ コムラサキ アカタテハ キタテハ スミナガシ ルリタテハ ヒオドシチョウ キベリタテハ ヒョウモンチョウ ミスジチョウ ゴマダラチョウ イチモンジチョウ
      ヒカゲチョウ キマダラヒカゲ ジャノメチョウ
      シジミチョウ セセリチョウ

■「深谷市内の動物」〜「深谷市史」(深谷市史編纂会編集、深谷市発行、昭和44年(1969))

 次にあるものとしては、昭和44年の「深谷市史」(深谷市史編纂会編集、深谷市発行)である。これには、当時深谷中学校教諭であった天田定之氏が、昭和44年7月に調査したという、より信頼のおける22種があげられている。しかし、ヤマトシジミやツバメシジミがいないのにヒメシジミがいたり、フタスジチョウはコミスジの誤りであろう、と正確性に疑問が残る。おそらくは、同定する際の図鑑との絵合わせによるミスであろう。明かな普通種で抜けているものも多々ある。ホソバセセリ、ツマグロキチョウ、ミヤマシジミの3種も、誤同定の可能性があるが、当時ならばと否定しきれないところだ。

      ○鱗翅類 (*疑問種は、赤字下線

      キマダ(ラ)セセリ ホソバセセリ
      キアゲハ クロアゲハ アゲハ カラスアゲハ アオスジアゲハ 
      モンシロチョウ モンキチョウ ツマグロキチョウ キチョウ
      ヒメシジミ ミヤマシジミ 
      フタスジチョウ コヒョウモン ヒョウモンチョウ キタテハ アカタテハ 
      オオムラサキ コムラサキ 
      ジャノメチョウ ヒメジャノメ

■「川本町史 通史編」(川本町編集発行、平成1年(1989))

 川本地区(平成の合併前の旧川本町)のチョウに関しては、川本町史に、「川本町で生息が確認されているチョウの種類は45種である。」とする市域のチョウに関してそれまでで最も読み応えのある記述がある。各チョウの特徴や生活についても記載されているが、内容は正確で、種類の同定にも誤りはないものと思われる。ただし、記載されている種類を数えると37種で、なぜ8種が漏れているのか残念である。なお、確認年代の記録について記載がないが、町史という性格上それはやむをえなかったと思われる。発行当時においても「過去に発生していたが現在では生息が疑問視されている種類などいくつかあげてみた」とある。

      五 蝶類

      キアゲハ ナミアゲハ クロアゲハ ジャコウアゲハ カラスアゲハ アオスジアゲハ 
      ツマキチョウ モンシロチョウ キチョウ スジグロシロチョウ
      キタテハ ゴマダラチョウ ルリタテハ ヒオドシチョウ ヒメアカタテハ アカタテハ ウラギンヒョウモン ミドリヒョウモン オオムラサキ イチモンジチョウ コミスジ
      ベニシジミ ヤマトシジミ ツバメシジミ ルリシジミ ウラナミシジミ アカシジミ ミズイロオナガシジミ ウラゴマダラシジミ
      サトキマダラヒカゲ ヒメウラナミジャノメ ヒカゲチョウ ジャノメチョウ
      ミヤマセセリ ダイミョウセセリ イチモンジセセリ
      テングチョウ

■「花園村郷土史」(大里郡教育会編、花園町教育委員会発行、平成9年(1997))

 花園地区(平成の合併前の旧花園町)のチョウに関しては、調査不十分ゆえ文献といえるものが見つかっていないのが正直なところ。本資料は平成9年の発行だが、内容は何かの古文書の復刻版なのか(?)まだ把握できていないが、およそ古色蒼然の記載。何といっても、並びの「第1節 獣類」には、「本村内ニ棲居スル獣類トシテハ食肉類(犬、猫・・・水獺(カワウソ)」と、ニホンカワウソまでが生息しているという記載がある。マジか!?一体いつの話なんだ?

      第四章 動物  第三節 昆虫類 (原文表記)

      本村内ニ発生スル昆虫類ノ主ナルモノハ
      鱗翅類 アゲハノテフ、モンシロテフ、ハナセセリ、シヂミテフ、カイコノ蛾、スカシバテフ

■岡部地区のチョウの文献

 岡部地区(平成の合併前の旧岡部町)のチョウに関しては、調査不十分ゆえ文献といえるものが見つかっていない。

■「埼玉県昆虫誌」(埼玉昆虫談話会編、平成10年(1998))

 埼玉県のチョウの分布について、「埼玉昆虫談話会」のメンバーが中心となって記録が蓄積され、平成10年(1998)には、県内の昆虫全般の分布について文献上の記録を取りまとめた「埼玉県昆虫誌」が発刊された。この埼玉県昆虫誌においても本市のチョウについては掲載対象となる文献が少なく、合併前の旧深谷市において18種、旧岡部町で1種、旧川本町で17種が記載されたにすぎない(統合すると28種)。旧花園町にいたっては、文献そのものが存在しないという扱いであった。
 この理由は、本市の地形上の特徴である、おおむね平坦で森林も少ないことでチョウの種類に乏しく、研究家の興味を誘うものではなく、これまで調査自体がほとんど行われないできたことにほかならない。

    旧深谷市(18種)

    キアゲハ アオスジアゲハ キチョウ モンキチョウ モンシロチョウ ベニシジミ ヤマトシジミ シルビアシジミ ツバメシジミ アサギマダラ イチモンジチョウ キタテハ ヒオドシチョウ ヒメアカタテハ ルリタテハ ヒメウラナミジャノメ ヒメジャノメ イチモンジセセリ

    旧岡部町(1種)

    ミドリヒョウモン

    旧川本町(17種)

    ナミアゲハ クロアゲハ キチョウ モンキチョウ ツマキチョウ モンシロチョウ スジグロシロチョウ ベニシジミ クロシジミ ウラナミシジミ ヤマトシジミ ヒオドシチョウ ヒメアカタテハ ゴマダラチョウ ヒカゲチョウ ホソバセセリ イチモンジセセリ

    旧花園町

    掲載なし

    統合(28種)

    キアゲハ ナミアゲハ クロアゲハ アオスジアゲハ 
    キチョウ モンキチョウ ツマキチョウ モンシロチョウ スジグロシロチョウ 
    ベニシジミ クロシジミ ウラナミシジミ ヤマトシジミ シルビアシジミ ツバメシジミ 
    アサギマダラ 
    ミドリヒョウモン イチモンジチョウ キタテハ ヒオドシチョウ ヒメアカタテハ ルリタテハ ゴマダラチョウ 
    ヒカゲチョウ ヒメウラナミジャノメ ヒメジャノメ 
    ホソバセセリ イチモンジセセリ

 


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